Q&A
特に、NPKは、肥料の3要素と言われ、植物の成長には非常に重要な成分の事です。 植物は、この肥料成分を吸収して成長します。 NPK各成分には、それぞれの効果があります。
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●N(窒素) … 「葉肥」と言われ、葉の成長を促します。主に栄養生長に必要不可欠な栄養素です。植物が生育している間、どんな時期でも必要不可欠です。特に、大きく育てる必要がある時には窒素(チッソ)は必要不可欠です。しかし、花や実をつけるような時期には、量を減らします。チッソ肥料ばかり与えると、栄養生長(体が大きくなる)ばかりになり、花や実が付きにくくなります。
●P(リン酸) … 「実肥」や「花肥」と言われ、実や花の生育を助けます。主に生殖成長を促す栄養素です。りん酸は、比較的植物にとっては吸収しにくい肥料なので、生育初期の元肥時期に施肥する必要があります。追肥で与えても、あまり効果を発揮しにくいので、元肥に与えると効果的な肥料成分です。
●K(加里) … 「根肥」と言われ、植物の根や植物全体の生理作用に大きな役割を果たします。耐病性などを高め、植物を健康にします。カリは、生育初期から後期まで全期に至るまで必要な成分です。
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他にも、「微量要素」という栄養素もあります。 これは植物にとっては、微量あれば十分な肥料成分の事です。人で言うと「ビタミン」のようなものです。微量要素は、欠乏すると「要素欠乏症」を引き起こすので、植物にとっては必要な栄養素です。
●元肥 … 種をまく時や、苗を植える時に与える最初の肥料です。 生育初期に与える肥料です。 初期に必要な栄養素を含んだ肥料や、長く効く肥料を与えることが一般的です。 元肥には、大きく分けて2種類の方法があります。下記、どちらの方法でも問題ありません。
① 【全層施肥】 うね全体に、まんべんなく混ぜ込みます。(草花の場合は、うねを作る必要はありません) 全層施肥法は、肥料が均一に土壌に配合されるので、根がどこに張っても肥料を吸収できます。 また、苗が小さく、根がほとんど張っていなくても肥料を吸収できます。 更に 肥料が土に馴染みやすく、肥料が効きやすくなっています。
② 【溝施肥】 溝を掘って、その溝の底に肥料を施肥します。後は、上から土をかぶせて”うね”を作って出来上がりです。(根菜類の場合は、育った作物が肥料に当らないように、元肥肥料を真下に施肥せず、少し横にずらして施肥します) 草花では、一般的に あまり溝施肥を行うことはありません。 溝施肥は 根が届くポイントに施肥するので、肥料の量が無駄になりません。 施肥後、短期間で植付けできます。 ただし、根が肥料に届くまで無肥料で生育しなければならない。
※ 上記、どちらでも使いやすい方法で施肥すると良いでしょう。
①水を何回も何回も与えすぎない事(根腐れの原因)
②水を与える時は、タップリ与える事。
●水を与える時期:
初心者で一番多い失敗は、可愛がり過ぎて水を多く与え、根腐れを起こす事です。土の表面が乾いていても、土の中は湿っている事が多いので、少し土を掘って 湿っているかどうか調べてみると良いでしょう。 また、土の表面が白っぽく乾いてきたら水の与え時です。
●水の与え方:
水やりの基本は、少数回・多量 です。 肥料の施肥とは逆に 水やりは、与える回数を少なくし、水を与える時にはタップリ与えます。 また水は勢いよく与えずに、静かに株元に与える事がベストです。
●水を与える時間:
水やリは、基本的に朝か夕方与える事が望まれます。 日中に与えると、葉にかかった水玉がレンズの役割を果たして葉を焼いてしまいます。
●悪い土
少し雨が降っただけで すぐに水たまりができるカタイ粘土の土。 酸素も少なく、植物は息苦しくなる。 土がカタイので根が伸びず、生育が悪い。 また、逆に土がサラサラし過ぎた砂土も良くありません。 水分がすぐに地下に流れ、植物が水を吸えない。 また、肥料もすぐに地下へ流れてしまう。
●良い土
良い土とは、ふかふかした やわらかい土。 上記のカタイ土には、堆肥を混ぜるのが効果的。 堆肥の繊維の隙間が水はけを良くし土をやわらかくし、酸素や肥料を保持します。 堆肥以外にも、ココピート(又はピートモス)と ヤシ殼チップ を混ぜて使うと清潔で扱いやすい。 また、水はけが良すぎる砂質の土には、ピートモスかココピート・堆肥などを混ぜると、保水・保肥力を高めます。
●培養土
ビショビショに濡れたり、暑い所で保管していなければ、古くても それほど大きく品質が落ちることはありません。1年前の培養土でも、生育に障害を起こすような大きな問題は発生しないと思われますが、できるだけ早く使用することをお勧めします。 培養土に含まれる肥料等が溶け出る恐れがあるので。
●肥料
肥料には製造年月日などは記載がありますが、有効期限などはありません。年月を経ても成分が変化しにくい原料なので、有効期限はありません。 しかし、固まって使いにくかったり、多少成分が分解される事も(有機肥料)あるので、できれば、ワンシーズンで使用する事をお勧めします。 しかし、使い残したりする場合は、雨や日光の当たらない所で保管すると品質劣化を抑える事ができます。 雨には特にご注意ください。
●培養土
保管時、雨に濡れてもそれほど大きな問題はありませんが、濡らさないことをお勧めします。 濡れる事で 各原料の粒が崩れたり、混合されている肥料が溶け出る可能性があります。 大きな問題ではありませんが、できる限り濡らさないことをお勧めします。
※ただし生産者向けの培養土の場合は、水濡れ厳禁です(長く効く被覆肥料などが含まれている事が多く、肥効期間が変化する為)
●肥料
化学肥料も、有機肥料も 水分が加わる事で 肥料が効き始めます。 しかし袋の状態では成分が逃げにくい為、肥料としての効果に影響はあまりありません。 ただし、化学肥料の場合は固まったり、有機肥料の場合には白くなったりするので、使用しにくくなったり、外観が良くなくなるので 出来るだけ水には濡れないように注意する事が必要です。 (肥料としての効果に大きな影響はありません)
化学肥料を必要以上に大量に使用したり、堆肥などを使わずに ずっと化学肥料のみを連用すると、環境に悪影響が出てきます。 化学肥料ばかり使用していると、土中の微生物が失われ、微生物によって成り立っていた土中の生態系が崩れて、土の保水力や保肥力を失います。 また、施肥し過ぎた化学肥料は、植物が吸収しきれずに、地下水に流れて環境を汚染します。
しかし基準施肥量を守り、堆肥などの連用に心掛けていれば 環境に悪影響は及ぼさないでしょう。 また、今現在の食料豊富な時代の背景には、化学肥料による貢献もあります。 化学肥料を使用すると、作物を容易に増産できます(有機肥料では、化学肥料の様な増産は非常に難しい)。 戦後の飢えを凌いで今の食料豊富な時代があるのは、化学肥料のおかげと言えます。
● 有機肥料は 環境に影響を与えにくく、増産しにくい
● 化学肥料は 環境に影響を与えやすく、増産しやすい
今では化学肥料が悪者、という風潮がありますが、これらの特徴や そして背景を踏まえて認識する事が大切でしょう。
また、化学肥料は大量に使用すると環境を悪化させますが、有機肥料も大量に使用すると環境を悪化させている実例もあります。 要は、使用者のモラルの問題です。
使い方次第で、化学肥料も有機肥料も環境を悪化させるので 使い方を守った適度な使用が大切でしょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~※ちなみに、植物は有機肥料を直接吸収できません。 有機肥料も 微生物に分解されて醗酵し、最終的には化学成分(化学肥料と同じ成分)になって、植物から吸収されます。
人の皮膚のpHは、弱酸性です。 人は、強酸性の物に触れると、皮膚を痛めます。 植物も同じように、強酸性の土壌で生育する事はできません。
●pHが高い事を、「アルカリ性」
●pHが低い事を、「酸性」
●pHがちょうど真中を、「中性」
…と言います。
pHは、「pH7.0」が基本で、これを中性と言います。 pH7.0より高い事を、「アルカリ性」と言い、pH7.0より低い事を、「酸性」と呼びます。 植物が生育する際は、土壌のpHをチェックすると良いでしょう。 各作物により、好みのpHが違いますから。 一般的に、弱酸性(pH5.5~6.5)くらいを好む植物が多いです。
一般的に日本の土壌は 酸性土壌が多いので、石灰(アルカリ)を与えてpHを調整して、育てることが多いです。
A. 混ぜずに使用する事をお勧めします。
肥料や培養土は、混ぜずに使用する事をお勧めします。 混ぜずに単品で使用する事を前提で商品化された物が、ほとんどだからです。
●培養土などは、一般的に 保水力、保肥力、肥料濃度などを設計し、単品で使用する事を前提で商品化されております。 他の物を混ぜると、それらのバランスが崩れてしまいます。 混ぜる際は、各々の判断で混ぜると良いでしょう。
●肥料などは、混ぜると肥料効果を失ってしまう場合があります。 例えば、消石灰と化学肥料(アンモニア態)を混ぜると、肥料効果が無くなります。 基本的には混ぜずに使用する事をお勧めしますが、肥料袋裏面の使用方法に注意してご利用下さい。
A. 硝酸肥料が問題ではなく、施肥量の問題です。
●人、植物に対する硝酸
硝酸そのものは、人の体内に蓄積されると(還元状態で亜硝酸に変化、ニトロソアミンやメトヘモグロビンへ)問題が発生します。 しかし、植物は基本的に根から硝酸を吸収して生育を続けるので、植物の成長にとって非常に重要な物質なのです。
植物は硝酸無しでは、健全な生育は困難といわれています。
●有機肥料、化学肥料
そのような中で、「化学肥料(硝酸)が悪人」、「有機肥料が善人」、というイメージを持った方がたくさんいます。
有機肥料も化学肥料も、最終的には土壌中の微生物によって硝酸に分解され、植物の根から吸収されます。 「有機肥料」も「化学肥料」も、結局 硝酸に変化して吸収されるのです。 硝酸が無くては、植物の生育は困難です。
●何が悪いのか?
では、何が悪いのか?
問題は、施肥する量(肥料をまく量)です。
有機肥料であっても、大量に肥料を施肥し、硝酸汚染を引き起こした実例があります。 作物栽培には、施肥量が重要となってきます。 適正施肥量を守り、その範囲で栽培をすることが重要なのです。
硝酸無しでは、健全な植物生育は成り立ちません。 問題は、基準施肥量を守ることなく、大量生産ばかりを重視し、不用意に肥料を多く使用しすぎることが問題なのです。 「化学肥料」「有機肥料」どちらでも使い方を守ることで、おいしい作物栽培を楽しむことができるでしょう。 (車や包丁も、使い方を間違えると人をあやめますが、正しい使い方をする事で生活を豊かにる事と同じです)
※ちなみに硝酸系肥料は、醤油などよりも毒性が低いので一般的な取り扱いで問題の無い商品といえます。
●当社の考え方
私たちは生産量を高めて自給率向上に貢献し、安全な作物栽培をお手伝いしたいと考えております。 しかし有機肥料ばかりでは生産量を確保できない場合があり、そのような際には、化学肥料(アンモニア、硝酸)を ご案内させて頂いております。
問題点は施肥量です。
このような問題を解決する為にも、安全な作物栽培の為にも、当社肥料に関しては「施肥量例」を表示し、安全性高い作物栽培に貢献したいと思っております。
生産量向上により自給率を高め、そして安全な作物栽培ができるように。
私たちは施肥量例を表示し、啓発、実践してゆきたいと考えております。